【12月13日付編集日記】ヒーロー

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 腕っ節の強さを買われ、悪役レスラー養成組織「虎の穴」にスカウトされた少年。やがて覆面レスラーとなって死闘を繰り広げる一方で、自分が育った孤児院を支援するためファイトマネーを送り続ける。漫画「タイガーマスク」である

 ▼漫画の主人公・伊達直人を名乗る人物から、群馬県の児童相談所にランドセルが届けられたのは6年前のクリスマスのことだ。「子どもたちのために使ってほしい」との匿名での善意が報じられると、同じような寄付が本県を含む全国の児童施設などに相次ぎ、社会現象となった

 ▼発端の寄付をした人物は、43歳の普通の男性会社員だったことが、プロレスイベントで明かされた。男性は幼い頃に母と死別するなど家庭環境に恵まれず、ランドセルも持っていなかったという

 ▼不遇な子どもたちを応援したいと、地道に寄付を続けてきた男性。「子どもは虐待されるためではなく、抱きしめられるために生まれてきた」との言葉が胸に響いた

 ▼街にはクリスマスソングが流れ、歳末助け合いの募金箱を持ったボランティアの姿も見られるようになった。「誰かの幸せのため、小さなことでも何かしたい」。その気持ちがあれば、誰でもヒーローになれる。