【12月15日付編集日記】ホウレンソウ

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 さっと湯がいておひたしで食べると、甘味が口の中に広がり、滋味に富む味わいがある。ホウレンソウだ。バター炒めや白あえなどにすれば、その味に幅が広がる。ビタミンやミネラルが豊富で旬である冬は最も栄養分が高いそうだ

 ▼ホウレンソウは漢字で書くと「菠薐草」。菠薐は昔のペルシャのことで、シルクロードを通って日本に伝わったとされる。井原西鶴の「好色一代男」では主人公の世之介が元気の源としておひたしを食べている。そのおいしさは古くから庶民に愛されてきたのだろう

 ▼ホウレンソウをブランド野菜にしようと、磐梯町法正尻地区の農家が10年以上栽培に取り組んでいる。磐梯山の麓に位置する冷涼な気候を生かして出荷。今年の販売額は約1億5千万円で過去最高になった

 ▼雪室でホウレンソウを冷やして品質を高めたり、出荷の規格を厳格化したりしたことで最高額を達成できたという。原発事故の影響で販売額は一時落ち込んだが、農家の努力が実った

 ▼同地区は9軒の小集落だ。生産者の団体は定年制や休日を定めたり、産品名を知的財産として保護する制度に申請したりとアイデアが尽きない。同地区にとってホウレンソウは活力の源になっている。