【12月16日付編集日記】年賀状

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 12月も残り半分ほど。昨日からは年賀状の受け付けが始まり、県内でも各地の郵便局で引き受け式などが行われた。年末の風物詩だが、配達の方は少々変わり、本年度からは1月2日が休みになる

 ▼2日の配達休止は13年ぶり。日本郵便によると経費削減が理由で、作業の効率化によって元日の配達分が全体の約85%を占め、休止の影響は以前より小さいという。ただその背景が興味深い

 ▼年賀はがきの発行枚数の減少が響いている。ピークの2003(平成15)年度は約44億6千枚だったが昨年度は約32億枚まで減った。手軽な電子メールやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及の影響が大きいようだ

 ▼そうは言っても年賀状派はまだまだ多数。メールでの「おめでとう」は、はがき世代の中高年には抵抗感が強いはず。ただ、時代は変わるのが定め―と心の準備をする必要もありだ

 ▼明治生まれの作家岡本綺堂は昭和初期の随筆で、年始回りをする人が減り寂しい―と書き、理由は年賀郵便の普及だと記した。そしてこう結ぶ。「忙しい世の人に多大の便利を与えるのは、年賀郵便である。それと同時に、人生に一種の寂寥(せきりょう)を感ぜしむるのも年賀郵便であろう」