【12月20日付編集日記】伊能忠敬

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 4万3708キロ。全国を歩き、国内初となる実測地図「日本全図」を残した伊能忠敬が測量した距離だ。伊能は17年間にわたり、ほとんど休まず測量して歩いたという。そのたゆまぬ努力があってこそ、精緻な地図を完成できたのだろう

 ▼測量が始まった1800年、伊能は蝦夷(えぞ)地東沿岸部のニシベツ(現北海道別海町)にいた。日ロ首脳会談で注目された北方四島の国後島に渡る計画もあったが、サケ漁の最盛期で船が手当てできず断念した。遠くに国後島を望みながら測量を行い、引き返したと日記に記している

 ▼伊能が率いた測量隊は10次に及び全国の延べ約1万2000人が協力したと伝わる。伊能が歩いた距離は、地球1周分よりも長い。まさに一歩一歩の積み重ねが大切だということを教えてくれる

 ▼県内では、福島市や白河市、会津若松市、いわき市などに滞在して測量を行っている。当時の県民は宿泊所を提供したり、天体観測に協力したりしたという

 ▼伊能忠敬研究会は協力者の子孫を探している。2018年に迎える伊能の没後200年にちなみ、各地に埋もれた地図や資料を発掘することが狙いだ。新たな資料の発見は現代を生き、将来を切り開くための糧になるはずだ。