【12月27日付編集日記】カワネズミ

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 銀鼠(ぎんねずみ)は、「ぎんねず」とも読み、青みを帯びた明るい灰色のことを指す。クールやスタイリッシュといった印象を与えるとされ、江戸時代には銀鼠色の着物が庶民の間で流行したという

 ▼銀鼠色は、太陽の光を受けてきらめく海のような情景の表現にも使われる。宮沢賢治は銀鼠色に輝く空を短歌に詠んでいる。「たそがれの奈良の宿屋ののきちかく せまりきたれる銀鼠ぞら」はその一つ。夜に変わりゆく空の美しさに感動した賢治の心がうかがえる

 ▼時を超えて県内ではいま、生きた銀鼠が話題を呼んでいる。猪苗代町の水族館で銀鼠の別称を持つカワネズミの展示が始まった。別称は、潜水すると体毛の間に空気の層ができ、銀色に輝いて見えることに由来する

 ▼カワネズミはネズミといっても、実はモグラの仲間。展示されているのは体長20センチ、体重50グラムほどだが、一日に体重の半分近くのウグイやサワガニなどを食べるという

 ▼郡山市の猪苗代湖周辺でカワネズミを捕獲した。猪苗代湖はかつて日本一の水質を誇ったが、最近は湖水の富栄養化で水質が悪化している。カワネズミは湖水の源になる澄んだ渓流にすむ生物。元気に泳ぎ回る姿は環境を守る大切さを訴えているようだ。