【12月30日付編集日記】会津の三十三観音めぐり

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 「仏都」という言葉に新たな光が差した年だったといえよう。奈良、京都などと肩を並べる仏教文化が栄えた会津。本紙連載の「仏都会津―祈りがつなぐ千二百年」が、今に残るあつい信仰の歴史を伝える

 ▼とりわけ、関心が高まったのが、日本遺産の認定を受けた「会津の三十三観音めぐり」。しばらく足が向いていなかったが、回り残していたことが気になり、年の瀬も押し迫った中、車を走らせた

 ▼うっそうとした森に包まれるようにたたずむ観音堂があれば、民家わきにひっそりと立つ札所もあり、行く先々でさまざまな表情を見せてくれる。参詣者の氏名を記した紙があちこちに張られたお堂の前で、手を合わせて御朱印をいただく

 ▼近くに寺院がない札所では、檀家(だんか)宅を訪ねることになるが、突然の訪問にもかかわらず、ごく自然に家事の手を休めて押印してもらえる。江戸時代から続く巡礼の文化が、地域に根付いている証しでもある

 ▼玄関先でのわずか数分間のやりとりだが、帰り際には必ず「ご苦労さまです」と声を掛けてくれる。表裏のない「おもてなし」の心は、訪ねた人の心を解きほぐす。会津を訪れた人たちがまた足を運んでみたいと思うきっかけになるはずだ。