【1月1日付編集日記】元旦

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 太陽の神である天(あま)照(てらす)大(おお)神(みかみ)が、弟の乱暴ぶりに腹を立てて天(あまの)岩屋(いわや)にこもってしまう。すると世の中は闇に覆われて、さまざまな災いが起こった。古事記の神話で知られている「岩戸隠れ」だ

 ▼困った八百(やお)万(よろず)の神々は、天照大神を岩屋から出すために知恵を絞る。そして、神々はたくさんの鶏を集めて鳴かせるとともに、岩屋の前で歌や踊りを始める。神々の楽しそうな笑い声につられて天照大神が岩屋から出ると、世界には再び明るさが戻った

 ▼明かりがなかった昔の人々は暗闇に包まれた夜は悪魔や妖怪などえたいの知れない物が支配していると考えていた。そのため、夜明けを知らせる鶏の鳴き声によって魔が退散するという伝説は、洋の東西にかかわらず多く見ることができる

 ▼酉(とり)年がスタートした。初日の出と合わせたように響き渡る鶏の鳴き声。高浜虚子は〈初鶏や動きそめたる山かづら〉と詠んだ。年の始まりとともに、新しい夢や目標に向かって動きだす人も多いだろう

 ▼東日本大震災と原発事故からは6度目の年明けだ。復興への取り組みをさらに加速させていかなければならない。すべての人たちにとって、光明がよりはっきりと感じることができる1年になることを願う。