【1月5日付編集日記】熟成の酉年に

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 「酉(とり)」という漢字は、酒を熟成するつぼの形から来ているという(角川「大字源」)。干支(えと)に動物を当てはめた際、「鶏」の字が使われたため、ニワトリが活躍する年になったそうだ

 ▼ニワトリ年というとにぎやかなイメージだが、世界も国内も何やかやと慌ただしい世情だけに、ここは本来の字に倣って、ものごとの熟成度を少し落ち着いて考える年にしたいものだ

 ▼第2次安倍政権は5年目に入った。これまでに、政権が掲げた看板はアベノミクス、地方創生、1億総活躍、働き方改革...など、次々に新しくなってきた。しかしその実績はどうだろう。国民の暮らしは良くなり、働きやすくなっているだろうか

 ▼首相は2016年を表す漢字に「動」を選んだ。「いろんなことが大きく動いた年」が選考の弁だが、政権の特徴は動き続けることだと言える。目標を次々に変えて取り組む姿をアピールする。それが支持率の維持につながっている面があるだろう

 ▼一方で国民は慌ただしい動きにばかり目を奪われ、政策の熟成度の点検をおろそかにしていないだろうか。動きを追い掛けるだけではなく自分たちで考える。「ニワトリは三歩歩くと忘れる」と言われぬよう、新年は心したい。