【1月10日付編集日記】教育旅行

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 胸にゼッケンを着け、ゲレンデをおそるおそる滑る子どもたちの姿―。震災と原発事故の前、二本松市のあだたら高原スキー場でよく見かけた光景であり、スキー場の風物詩でもあった

 ▼その歓声が戻ってくる。埼玉県越谷市が震災後に中断した中学1年生のスキー教室を6年ぶりに再開する。1~2月に生徒約3000人が参加する予定だ。生徒らはスキー場近くにある同市立あだたら高原少年自然の家で寝食を共にしながらスキーの練習に励む

 ▼自然の家は36年前に開設、夏には小学5年生の林間学校も行っていた。同高原には越谷市を含め首都圏の三つの自治体の施設があったが震災をはさみ2施設が閉鎖、いまあるのは越谷市だけだ

 ▼越谷市が教室を中断したのは放射線の影響を考慮してのことだった。しかし現在、自然の家の放射線量は同市での数値と変わらなくなった。自然の中で活動したり、県民とのふれあいを通して災害について学んだりすることが生徒の成長につながると判断した

 ▼本県を教育旅行で訪れる児童生徒は震災前の約5割にとどまっている。越谷市のような例が広まれば本県に対する誤解もなくなるはずだ。今回の滞在をきっかけに、良き理解者が増えればうれしい。