【1月11日付編集日記】ADHD

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 成人期の注意欠陥多動性障害(ADHD)が一般に認識されるようになったのは、児童期の症状が成人後も続く場合があるなど各研究が注目された1990年代からとされる。職場などで適応に苦労するのは、その人の性格や個性の問題との誤解があったという

 ▼発達障害の一つのADHDは落ち着きがない、不注意によるミスや衝動的な行動が目立つことなどが特徴とされる。不安障害、依存症など合併の予防には適切な診断と治療が欠かせない

 ▼福島医大と製薬会社が成人期ADHDの正確な診断に使えるバイオマーカー(指標)開発の共同研究に着手する。脳内の神経の働きや回路、無意識的な認知機能をみる検査を組み合わせた研究に取り組む

 ▼ADHD診断は客観的な方法がなく、ほかの精神疾患との区別が困難なこともある。バイオマーカーは問診と症状評価チェックリストによる医師の診断を補い、治療への貢献が期待できる

 ▼心療内科医の星野仁彦さんは著書で「発達障害を抱えた人が自分らしく生きられる社会は、多様な人が個々の能力を生かせる社会」と指摘。この研究がADHDの正確な診断、治療の力になり、発達障害者を支援する医療の発信につながるのを願う。