【1月20日付編集日記】2400万人

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 「わが国は今、観光に基礎を置くべき絶好の時期にきている」「観光省を新設し観光相を任命し、国立大学で観光学を教えてはどうか」

 ▼いまの政策を先取りするようなこれらの提言は「経営の神様」といわれた松下電器産業(現・パナソニック)創業者の松下幸之助が「文芸春秋」の1954年5月号の「観光立国の弁」の中で述べたものだ

 ▼昨年の訪日外国人旅行者数は2403万9000人で、初めて年間2000万人を突破した。前年を上回ったのは5年連続で、クルーズ船の寄港や航空便の新規就航・増便などが寄与した。中国や韓国だけでなく東南アジアからの旅行者も増えている

 ▼一方で「爆買い」は勢いを失い、東京―京都―大阪を巡るゴールデンル
ートは飽和状態に近い。政府は2020年に外国人旅行者を年間4000万人にする目標を掲げているが、実現するためには本県など地方に目を向けてもらう必要がある

 ▼松下はこうも語る。「ハワイやスイスに比べ日本は数十倍も広く、四季のよそおいも加わり、世界のいかなる人々の好みにも合う風物を備えている」。松下の慧眼(けいがん)には驚くばかりだが、魅力の数々は本県にもそっくり当てはまる。この機を逃すことなく策を講じたい。