【1月21日付編集日記】寒の内

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 「おおさむ こさむ/山から小僧が飛んできた/寒いといって飛んできた」。吾妻山から吹き下ろす寒風に身を縮めながら、幼い頃に歌ったわらべ歌を思い出した

▼大寒のきのうは、県内各地でこの冬一番の寒さとなった。福島地方気象台によると、向こう1週間は寒気や低気圧の影響で寒さが続く見通しで、会津は雪の日も多いという。当分の間は「おおさむ」と口ずさむことになりそうだ

▼小寒から2月3日の節分までは「寒の内」。日本では昔から、この時期に酒やみそ、しょうゆなどの仕込みが行われてきた。気温が低いために雑菌の繁殖が少なく、発酵もゆっくりと進むため味わいが増すのだという

▼武道の寒げいこ、三味線や長唄などの寒ざらいも、寒の内に行われる。寒さに耐えて修練することが飛躍につながると考えられてきたためだ。受験生にとっては、この時期が正念場だろう。合格という「春」を迎えるための仕込みは終盤を迎えた

▼〈寒の水念ずるやうに飲みにけり〉と細見綾子。古来、寒中の水は良薬とされてきた。縁起を担ぎ水を飲むのもいいが、小生はつい熱かんのとっくりに手が伸びる。「春よこい」と念じれば、体が温まり、寒さもどこかに飛んでいく。