【1月27日付編集日記】雪下キャベツ

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 一年で最も寒さが厳しいこの時期、会津では「雪下キャベツ」が旬を迎えた。雪の下から掘り出し収穫するキャベツで、その特徴である甘味は厳寒の恵みだ

 ▼県によると、夏に種をまき、本来収穫期の晩秋になっても出荷はせず、雪の中で寝かせたのが雪下キャベツ。昔から会津若松市周辺で冬の貴重な収入源として栽培され、その甘味が評判となり10年ほど前から会津の各地に広がった

 ▼キャベツに限らず、寒にさらすと野菜は甘味を増すことがよく知られる。気温が下がると根の吸水力が鈍り、野菜に含まれる水分の糖度が増すのだ。水は糖などの濃度が高いほど凍る温度が下がり、野菜は凍結しにくくなる。植物が持つ耐寒機能だ

 ▼環境に対応する生命力は今を生きる人々の中にも脈打つ。飯舘村出身の専門学校生赤石沢歩さん(20)は原発事故による避難生活を乗り越え、三春町のアニメ制作会社、福島ガイナックスの就職内定を受けた。アニメーターへの夢に踏み出そうとしている

 ▼その彼女について語った恩師の言葉が印象に残る。「一生懸命で環境が変わっても頑張れる性格」。赤石沢さんに限らず、厳しい環境もしなやかに対応していく若者たちの味わい深い未来が楽しみだ。