【1月30日付編集日記】昭和基地60年

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 緑や赤に発色しながら幻想的に揺れるオーロラ、氷上を滑るように移動するペンギンやアザラシたち。福島市の情報発信サイト「ももりんく」に掲載されている「南極便り」の記事や写真、動画を興味深く見ている

 ▼このサイトに寄稿しているのは第57次南極観測隊員として南極の昭和基地に滞在中の梅津正道さん(同市)。現地から送られてくる便りにはブリザードと呼ばれる激しい吹雪の中で仕事に当たる隊員の姿も紹介されており、極地での活動の厳しさが伝わってくる

 ▼昭和基地はきのう開設から60年を迎えた。日本は同基地を拠点にオゾンホールの発見や多数の隕石(いんせき)収集など世界に誇る研究成果を上げてきた。過酷な自然の中で研究に向き合ってきた先人の苦労に思いをはせる

 ▼第30次観測隊長だった江尻(えじり)全機(まさき)さん(いわき市出身)が「自然の前では人間は無力」と話していたのを思い出す。だから人間が自然を保護するという考えは思い上がりで、自然の恵みをほんの少し頂くという謙虚な気持ちが必要だと

 ▼いまも南極では太古からの営みを探り、そこに未来を尋ねる試みが続く。地球の環境変化が著しい中、自然が教えてくれることに謙虚に耳を澄ます重要性は増している。