【2月1日付編集日記】寺子屋

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 江戸時代に庶民の子どもが学んだ寺子屋は、いまの学校の授業形式とは異なっていた。師匠が子どもの実情を踏まえて勉強内容を決め、教材を与えて教えた。身分に関係なく自由に開設できたため、全国に多くの寺子屋ができた(高橋敏著「江戸の教育力」)

 ▼師匠は、ことのほか礼儀やしつけを重んじたとされる。薫陶を受けた弟子たちは師匠に熱い思いを寄せたらしい。恩に報いるために建立した顕彰碑などが各地に残っていて師弟のつながりの強さをしのばせる

 ▼相馬市で開かれている「相馬寺子屋」はボランティアの東大生が土、日曜日などに泊まりがけで同市を訪れ、中学生の自主学習を支援している。学生の指導ぶりはとても熱心で、勉強後はいつも将来の夢などを語り合い、絆を深めてきた

 ▼5年目となった本年度最終回の寺子屋が先日開かれ、学生が1年間の学習の締めくくりとして独自で作った冊子「寺子屋楽習帳」を生徒らに贈った。東大生ならではの勉強の秘けつなどがまとめられている

 ▼冊子には、学生一人一人が生徒たちに励ましの思いを込めたメッセージを寄せた。現代の寺子屋で心を通わせて学んだ内容は、いずれ生徒たちの未来を切り開く力となるだろう。