【2月8日付編集日記】認められる喜び

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 人は何を欲しているかという問いに、文芸評論家の谷沢永一さんは「世に認められること」と、著書に書いている。「私を認めてくれと、声なき声で叫びつづける可憐(かれん)な生き物」という人間への洞察に、得心する人も多いのではないか

 ▼自分が認められていると思える手応えほど、うれしい喜びはない―と考えるのは谷沢さんに限ったことではないだろう。人を成長させる端緒となる名誉心につながり、張り合いが増すとする

 ▼県教委が本年度、県内の小学5年生と中学2年生に行った意識調査では「頑張ったことを先生が認めてくれ、うれしかったことがあるか」との質問に、8割以上が「うれしかったことがある」と答えた。子どもの長所を伸ばそうという教員の姿勢の表れでもあろう

 ▼意識調査に併せて行われた県学力調査では、認められて「とてもうれしかったことがある」という子どもの平均正答率は、「一度もない」とした子どもを大幅に上回った。認められることと学力の関係がうかがえる

 ▼谷沢さんは「理解され認められれば、その心ゆたかな自覚を梃子(てこ)として誰もが勇躍して励む」とも記す。子どもの頃、先生に褒められ、心の底から感じた喜びは将来の自信につながる。