【2月9日付編集日記】生物多様性

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 休日のひととき、コーヒーを飲むのが好きだ。特に気に入っているコーヒー豆は有名な「モカ」。エチオピアとイエメンが産地で、かつてコーヒーの荷積みでにぎわった紅海のモカ港にちなんで名付けられた。酸味と苦味のバランスが抜群の味わいだ

 ▼そんな安らぎの一杯が、野生の動植物を絶滅の危機にさらす可能性があるという。日本に輸入された食品や木材などが、世界で792の絶滅危惧種に影響を及ぼしているとの研究結果を信州大の研究者らがまとめた

 ▼エチオピアではコーヒーやゴマを栽培するため、ヒョウやアフリカゾウが草原から追いやられている。ワインやオリーブオイルの産地スペインでは農場に電気を供給するためのダム建設の影響で、スペインオオヤマネコが減っているらしい

 ▼現代の生活が、いかに自然に負荷をかけているのかを突きつけられた思いだ。一方で研究者らは「調達先を変更するなどで、絶滅を防ぐことができる」と指摘している

 ▼地球上のすべての生物は互いにつながり合い、生態系のバランスが保たれている。人の都合ばかりが優先されて貴重な動植物たちが消えていくようなら、せっかくのコーヒーの味わいも苦味ばかりが際立ってしまう。