【2月10日付編集日記】オタネニンジン

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 時折、子どもたちに「嫌い」と敬遠されたりもするが、色鮮やかなオレンジ色が料理に彩りを添える野菜。言うまでもなくニンジンのことだが、本県が一大産地に挙げられる「もう一つのニンジン」については知らない方も多いだろう

 ▼その名はオタネニンジン。同じニンジンといっても両者はあまり近い種類ではない。オタネニンジンは薬用が主で朝鮮人参、薬用人参、高麗人参などの呼び名もある。漢字では「御種人参」。幕府が朝鮮半島で入手した種を各地の大名に分け与えて、栽培を奨励したのが由来という

 ▼会津藩は自由栽培を禁じ藩直営で栽培した。その後も輸出でこの地の財政を潤したオタネニンジンだが、円高や外国産の台頭で近年は栽培面積が激減。会津人参協同組合が2012年に解散し、多くの組合員が作付けを断念した。収穫まで約5年かかることも歴史が途絶えかけた要因のようだ

 ▼そんな中、会津では復活を目指す動きが出始めている。新たに発足した会津人参栽培研究会が技術の継承に取り組む。会員がまいた種は順調に育ち、間もなく収穫を迎えようとしている。「薬草の里」「漢方の里」としての新たな挑戦。その種が大きく実を結ぶことを心から願う。