【2月14日付編集日記】恐竜広野に帰る

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 東日本大震災で傷を受けた大物が、きょう古里の広野町に帰ってくる。地元の人たちは復興加速を後押しする強い味方になってもらえるだろうと期待を寄せる

 ▼その大物とは草食恐竜「チンタオサウルス」の化石の複製標本だ。体長約8メートルの標本は、町内で化石が発見された恐竜「ヒロノリュウ」と種が近いことから町が購入した。1988年から町役場1階に展示し、町のシンボルとして親しまれてきた

 ▼しかし標本は震災で頭部などが損壊。しばらくそのままになっていたが、恐竜の研究者らが中心となって修復が始まった。費用はインターネットで募り、全国の404人から約370万円が寄せられた。多くの人たちの善意に支えられての復活だ

 ▼標本は昨年3月に修復が完了、東京の国立科学博物館をはじめ大阪、北九州などで巡回展示した。町は「化石の町のPR大使」として、今後も要請があれば各地の博物館などに貸し出す考えという

 ▼約6年ぶりに現す威容だが、そのポーズは震災前とは異なる。以前は頭を高く上げていたが、最新の研究に基づき、頭の位置を人間の大人の身長ほどまで低くした。町民と同じ目線で復興を進めていこうとの恐竜なりの意思表示にも見える。