【2月28日付編集日記】ハラル食

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 作家の宗任雅子さんは米国在住だった1970年ごろ、自宅に現地の友人を招き、すき焼きパーティーをした。坂本九の「上を向いて歩こう」が「スキヤキ」の曲名でヒットしていたため、米国でもなじみのある料理だと考えたからだ

 ▼しかし評判は芳しくなかった。米国では生卵を食べたり、みんなで一つの鍋をつつき合ったりする習慣がなかったためという。宗任さんはエッセーに「異邦人を招くときは最大限に想像力を働かせるべき」と反省を記している

 ▼さまざまな配慮が求められる食事といえば、イスラム教の戒律に沿った食品「ハラル」が挙げられる。豚由来の食材やアルコールを口にできないなど厳しい制約がある。日本は2020年東京五輪に向けて、ハラルに対応したレストランなどを増やしたい考えだ

 ▼県は食品関係の事業者を対象にハラルの勉強会などを開いており、ハラルの基準を満たしたゼリーやしょうゆを製造する企業も出てきた。いわき市では先日、県内初のハラル料理専門店もオープンした

 ▼イスラム教徒は世界に約16億人もいる。県内にも観光客を呼び込みたい。相手の食文化を尊重し、おもてなしをさらに磨いていけば世界の人たちとの友情も深まる。