【3月1日付編集日記】春の火災予防運動

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 火事が多かった江戸時代、江戸城の大奥では「御火之番」の奥女中が昼夜を通して巡回し、火の元を注意した。それでも出火は絶えなかった(高柳金芳著「江戸城大奥の生活」)

 ▼大奥入りする奥女中が誓った言葉にも「附部屋々々火之元念入申付べき事」とあり、火の用心には徹したようだ。現代では、日本防火・防災協会が木造住宅の火災について、早い場合で約20分で全焼してしまうと警戒を訴える。火の恐ろしさは時代を問わない

 ▼現在の家庭で「御火之番」役は住宅用火災警報器だろう。設置が義務化された2006年から年月を経て、古くなると部品の寿命や電池切れなどで火災を感知できなくなる心配があるらしい。総務省消防庁は設置10年を目安に交換を呼びかけている

 ▼同庁が昨年まとめた警報器設置調査では本県の設置率は約74%で都道府県別で40位という下位。全国平均を7ポイント下回るという結果だった。初期消火や逃げ遅れ防止には、警報器の備えは欠かせない

 ▼きょうから春の全国火災予防運動が始まる。重点目標に掲げられた住宅防火対策の柱の一つが、警報器設置の徹底と適切な維持管理だ。あらためて家庭にある警報器の役割の大切さを見直す機会にしたい。