【3月7日付編集日記】国際女性デー

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 郡山市ゆかりの作家宮本百合子の代表作の一つに自伝的小説「伸子」がある。主人公の伸子が理想とかけ離れた結婚生活を解消し、自分の力で新しい生活を切り開いていこうとする姿を描いた

 ▼作品が書かれたのは大正末期。百合子は当時から、女性が自立できる社会づくりを唱えてきた。後年書かれたエッセーの中では男女の賃金格差の是正を訴え、「明日の日本のためにそれを極めて当然な緊急事としている」と警鐘を鳴らしている

 ▼では、いまの日本はどうなのか。各国の男女格差を比較した世界経済フォーラムの昨年の報告書で、日本は世界144カ国中111位となり過去最低の水準だった。教育と健康の分野では比較的格差が小さかったが、経済と政治の両分野は厳しい評価を受けた

 ▼企業や自治体に女性の登用目標などを示すよう義務付けた女性活躍推進法の全面施行から、間もなく1年を迎える。男女格差の「後進国」から抜け出すために、着実な成果が求められている

 ▼あすは国連が定めた国際女性デー。男女の賃金や家事労働の格差是正などがことしのテーマだ。女性が輝く社会の実現に向け、いまも昔も変わらない課題と今度こそ正面から向き合わなければなるまい。