【3月12日付編集日記】つり橋の里

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 日常生活と別世界とを隔てる象徴としてよく登場するのがトンネルだ。小説や映画の世界ではトンネルを抜けると全く違う世界が待っていて、そこから興味深いストーリーが展開される

 ▼トンネルではないが、会津若松市の東山温泉の駐車場から同温泉近くにある里山農園へと向かう道に架かるつり橋は、その先に日常生活を忘れさせる体験が待っている。里山農園の名は「つり橋の里」で、東山温泉観光協会などが設立した会津東山温泉里山農園協議会が整備を進めている

 ▼約4ヘクタールのつり橋の里では枝豆やキャベツ、ニンジンなどを栽培し、地域ブランドとして発信する。今後は会津伝統野菜も作付けする考えだ。先日行われた雪下野菜の収穫体験では外国人を含む参加者らが、雪の中から野菜を掘り当て笑顔を見せた

 ▼温泉と農園を組み合わせた取り組みは大きな可能性を秘める。収穫した野菜を東山温泉の旅館で提供したり、教育旅行に活用したりと、さまざまなアイデアがあるだろう。外国人旅行者の誘客も期待できる

 ▼つり橋を渡った先に、どれだけ魅力的な別世界を用意できるか。将来を思い描くと、夢はますます広がる。つり橋の里が生み出す今後の物語を見守っていきたい。