【3月13日付編集日記】春眠

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 「ハルノネザメノウツツデ聞ケバ トリノナクネデ目ガサメマシタ」。井伏鱒二が、唐の詩人・孟浩然(もうこうねん)の漢詩「春暁(しゅんぎょう)」を意訳した一節だ

 ▼「春眠暁を覚えず」で始まる春暁。温かい布団が心地よく、なかなか起き出せないという意味だとばかり思っていたが、鱒二の訳詩からは爽やかな朝の情景が思い浮かぶ。こんな目覚めだったら、一日をいい気分でスタートできそうだ

 ▼睡眠は、健康と密接に関わっている。睡眠不足は糖尿病や高血圧などの生活習慣病や、肥満になるリスクを高めるという。しかし、日本人の睡眠時間は短くなる傾向にある。厚生労働省の2015年の調査では、成人の1日の平均睡眠時間は6時間未満が約4割に上り、03年の調査開始以来、最も高かった

 ▼男性は仕事、女性は家事が睡眠確保の妨げになっているというが、健康のためにも質のよい睡眠は欠かせない。それには夜更かしを避けたり、規則正しい食事や定期的な運動をして生活にメリハリをつけることが大切だ

 ▼進学や就職で4月から新生活を始める人も多いだろう。温かい布団の誘惑を断ち切り、小鳥たちのモーニングコールで気持ちよく起きるため、今から生活のリズムを整えておきたいところだ。