【3月18日付編集日記】重力値

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 沖縄で1キロの重量だった金が、北海道に持って行くだけで約1グラム重くなるという。ならば、北海道に行って金を売ったほうが得するはずだ。いったい、どんな錬金術なのだろうか

 ▼これには、重力の働きが関係している。重力は、地球の引力と自転による遠心力によって決まる。遠心力は高緯度ほど小さくなるため、同じ物でも北海道よりも沖縄のほうがわずかに軽くなるのだという

 ▼しかし場所によって重さが違うと社会が混乱する。そのため国土地理院は、どこでどの位の重力が働いているのかを示す「重力値」を測定。その値を使って計量機器を調整することで、どこで量っても同じ重さになるようにしてきた

 ▼全国約260カ所の重力値が40年ぶりに改訂された。東日本大震災や熊本地震による地殻変動も重力に変化を及ぼしていた。県内の測定地点は2カ所で、いわき市では新データを使うことで60キロの人の体重が蚊1匹分ほど軽くなるという。会津若松市の値は変わらなかった

 ▼重力値は防災にも活用される。重力値の分布を調査することで地下の活断層の形状や規模などが分かるという。普段は意識することのない重力だが、思っている以上にその役割には重みがありそうだ。