【3月21日付編集日記】主体的な学び

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 吉田松陰が開いた松下村塾には教卓がなかったという。これは、松陰が教壇の上から一方的に行う授業を嫌ったためだ。授業中絶えず塾生たちの間を動き回って指導する松陰にとって、教卓は無用の長物だった

 ▼また松下村塾の教科書は、教師が塾生の学力レベルや興味・関心を考慮して選んだため個人ごとに違っていた。松陰は討論学習もよく行い、塾生が意見や知恵を出し合って一緒に答えを考えた(「吉田松陰」海原徹著)

 ▼翻って現代の日本の学生は、勉強への姿勢が受け身のようだ。国立青少年教育振興機構が日本と米国、中国、韓国の高校生に行った調査で、授業中に発言したり、自発的に考える生徒の割合は日本が4カ国中最低だった。一方、授業中の居眠りは日本が最も多かった

 ▼次期学習指導要領では、教師が一方的に教え授ける授業を見直し、児童生徒同士が話し合いながら問題を解決する討論型の学習方法を重視するという。松陰が実践したような教育が、現代でも必要とされているのだろう

 ▼教師と生徒が授業で、丁々発止のやりとりを繰り広げる。そんな緊張感のある授業なら居眠りをする余裕もなくなるだろう。松下村塾のように未来のリーダーも育つはずだ。