【4月15日付編集日記】前例を越える

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 「前例がない」という言葉がある。例えば、プロ野球選手で投手と野手の「二刀流」として存在感を示す大谷翔平選手を「前例がない」と表現したりする

 ▼この場合は、率直な驚きの意味が込められているが、好意的でないニュアンスで使用されるケースも多い。仕事で新しいことに取り組もうとしても「前例がない」などと提案を却下されるような場合だ

 ▼前例は慎重、円滑にものごとを進め、成功に導く上で参考になる。先人の事例にならえば不測の事態を避けることもできるだろう。しかし現状に安住し、リスクを回避したいという思考回路に陥りやすい。だから前例主義の排除が言われる

 ▼「人の行く裏に道あり花の山」。相場格言の代表格だが、その意味するところは、単に他人と違うことをやりなさいということだけではないだろう。前例に従うだけではなく、知恵を絞り、一歩踏み出すことの大切さを教えているように思う

 ▼新年度がスタートして2週間、職場の体制や環境もなじみ始めてきたころだろう。研修を終えた新人たちも職場に入っている。失敗してこそ問題の解決法を知ることができる。常識にとらわれない発想と気概を持てば、きっと花がたくさん咲くはずだ。