【6月25日付編集日記】教育旅行

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 会津若松市の中心部から少し離れた住宅街の一角。味とボリュームで評判の地元では知る人ぞ知る食堂がある。男性客で混み合うある日のお昼時、見慣れない十数人の小学生たちの姿があった

 ▼声を掛けると宮城県から教育旅行で来たという。「よく場所が分かったね」と尋ねると先生から聞いてインターネットで調べて来たそうだ。「おなかいっぱい」「おいしかった」。お礼の言葉を添えながら、一人一人空いた器を厨房(ちゅうぼう)まで返していた姿が印象的だった

 ▼今年も、地図を手にしたリュック姿の子どもたちが、鶴ケ城はじめ観光地周辺を散策する光景が目につき始めた。初めて訪れた土地を目を輝かせながら歩く姿がまぶしい。彼らの目に歴史が根付く会津の地はどう映っているのだろう

▼昨年、教育旅行で会津若松市を訪れた県外の学校数は583校。このうち宮城県が309校と半数以上を占め新潟、千葉、山形と続く。震災後、回復傾向にあるものの、2010年の841校にはまだ及ばない状況だ

▼大人になってまた訪ねてみたいと思ってもらえるような地であってほしい。ぬくもりあふれる風土や文化を伝え続けていくことが、会津の豊かな未来につながっていくと信じたい。