【8月5日付編集日記】夏祭り

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 東京・日暮里で生まれ育った作家吉村昭さんのエッセー集「東京の下町」は郷愁あふれる本だ。ベイゴマやたこ遊び、町のあちこちにあった映画館、豆腐や金魚の物売りなど、子どもだった戦前の思い出をつづっている

 ▼吉村さんが特に楽しみにしていたのは夏祭りの露店巡り。ホタルやハツカネズミ、針金で作った鉄砲、三角の食パンに黒蜜を塗った蜜パンなど、売られていたものは現代とはだいぶ違っていたようだが、子どもたちが祭りに心を弾ませるのは昔も今も変わらない

 ▼県内で、夏恒例の祭りやイベントが熱気を帯びている。きょうは、福島わらじまつりと郡山うねめまつりがクライマックスを迎える。いわき花火大会は、約1万2000発の花火が夜空を彩る

 ▼夏祭りはピークとなるお盆ごろにかけて各地で開かれる。威勢よくみこしを担いだり、踊りの輪に加わったりと楽しみは尽きない。最近はご当地グルメを提供する露店もあって食べ歩きも面白い

 ▼友だちと祭りに繰り出す子どもも多いだろう。夏はちょっと大人になったような気持ちになる季節だが、危険な誘惑もある。大人の温かい見守りの目があってこそ、子どもたちが生涯色あせない思い出をつくることができる。