【9月5日付編集日記】救急医療週間

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 会津藩では、藩内で旅人が病気になった時、宿屋の主人が医者に旅人を診せ、介抱した。お金のない旅人には藩が治療代を立て替えた。この仕組みは藩祖保科正之の指示でできたという

 ▼直木賞作家の中村彰彦さんはこの仕組みについて「儒学の仁の精神の具体化として政令を定めた」と著書に記し、「領民たちが病んだ時には、これ(旅人)と同等かそれ以上の措置を講じた」と推測する。会津は「救急医療制度」の先駆けの地だったといえる

 ▼救急医療はいまもかけがえのない命を救うセーフティーネットだ。県内における昨年の救急出動件数は8万246件で3年連続で8万件の大台を超えた。しかし、その半数程度は入院の必要がない軽い症状だったという

 ▼一概には言えないが、早く診察してもらえるからなどと、救急車をタクシー代わりにしたり、安易に夜間・休日の救急外来に駆け込む「コンビニ受診」の問題が県内でも指摘されている

 ▼今週は「救急医療週間」で、最終日の9日は「救急の日」だ。手元の辞書では、「仁」は「他人を大切に思いやり、慈しむこと」とある。急を要する人たちが、少しでも早く手当てを受けることができるよう仁の心をもち、助け合いたい。