【9月6日付編集日記】結婚サポーター企業

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 愛妻家として知られる作家の司馬遼太郎が、のちに妻となる女性にプロポーズしたのは高度成長期の大阪、路面電車の停留所だった。「次の瞬間、私にとってひどく不幸なことがおこった」と随筆「私の愛妻記」に書いている

 ▼司馬の声が大きかったため、電車を待つ人たちの視線が二人に集中、女性は顔を赤くして横を向いたままだったという。プロポーズが独り言のようになってしまった司馬も恥をかいたと振り返っている。求婚する際には場所の選択が肝心のようだ

 ▼とすれば出会いの場も大切にしなければならないことになるだろう。県が「仲人役」を担うオンライン型の結婚マッチング事業「はぴ福なび」で、初顔合わせに臨む二人のためにお見合いの場の提供などで協力してくれる企業を募っている

 ▼協力企業になった飲食店などは、お見合いに適した場所として登録され、カップル誕生を後押しする。県は協力企業を増やすため、今月にも「結婚サポーター企業」制度を設ける

 ▼司馬は「愛妻愛夫のつもりでいる」とも記し、停留所での求婚も結果として「吉」と出たようだ。幸せな家庭づくりは本県の明日をひらく活力源になる。良縁をつむぎ温かく見守る環境を整えたい。