【9月14日付編集日記】プラスチックごみ

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 名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子(やし)の実一つ...。島崎藤村の作詞でよく知られる「椰子の実」の一節だ。親友で民俗学者の柳田国男の体験談をもとにつくったとされる

 ▼米ジョージア大の研究グループが1950年代初めからこれまでに生産されたプラスチックの量を推定したところ83億トンになった。ジャンボ機約4600万機分に相当し、うち63億トンがごみとして捨てられたという

 ▼プラスチックは軽くて加工が簡単、丈夫で長持ちが利点だが、これが裏目に出てごみの大量発生が問題化した。海に流れ込むプラスチックごみの量は年間800万~1千万トンともされる。柳田が目にしたものがプラスチックごみだったら、心に響く詩や歌は生まれなかっただろう

 ▼塩ビやラップに使われている塩化ビニリデンは燃やすと有害物質の発生源となり、製品に加えられる添加物の中には、人体や生態系に悪影響を及ぼす危険性があるとされるものがある

 ▼一方でごみ対策も進み、外国では使い捨てのプラスチック容器を禁止する国も出てきた。県内でもスーパーでのレジ袋返上など取り組みが進むが、プラスチックごみになるのはレジ袋だけではない。暮らしの中で見直す余地はたくさんある。