【9月16日付編集日記】国を滅ぼす大将

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 武士道を論じた古来の書物には、現代社会にも通用する知恵と教訓が含まれているものも多い。中でも武田信玄、勝頼の親子二代にわたる業績を記した軍学書「甲陽軍鑑」は組織論や経営術に活用できるような示唆に富んでいる

 ▼もともとの著者は武田親子に仕えた老将、高坂弾正とされる。武田家の実戦から生まれた教えが多く記されているため江戸時代の武士たちの間でベストセラーになったという

 ▼特に興味深いのが、国を滅ぼす大将を4タイプに分けて紹介したくだりだ。四つとは「馬鹿(ばか)なる大将」「臆病なる大将」「利根(利口)すぎたる大将」「強すぎたる大将」である

 ▼前の二つは理解できるとして、利口と強いことのどこが悪いというのだろうか。同書によると、賢すぎたり強すぎたりする大将はワンマンになりがちで、家臣の進言にも耳を貸さなくなるため、ひいては国を滅亡に追いやってしまうのだという

 ▼さて、かの国のリーダーはどのタイプだろうか。先月に続いて昨日もミサイルを発射した。核実験も強行し、挑発を続けている。進言してくれる側近がいないのなら、代わりに言おう。武士の情けをかけてもらっているうちに、ばかげた行動はやめたほうがいい。