【10月2日付編集日記】衣替え

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 「いづれの御時にか、女御(にょうご)、更衣(こうい)あまたさぶらひ給(たま)ひけるなかに...」。よく知られた源氏物語の冒頭だ。ここにある「更衣」は天皇のきさきの意味で、光源氏の母である桐壺(きりつぼ)更衣は帝(みかど)から特に深い愛情を受けていたとされる

 ▼更衣とはもともと天皇の衣替えに奉仕する女官の名称のことだった。平安時代の貴族社会では旧暦の4月1日と10月1日を衣替えの日としていたが、当時は宮中に限って行われていた風習という

 ▼庶民も衣替えをするようになったのは、木綿が普及して衣料が多様化した江戸時代のこと。幕府が役人に年4回の衣替えをするよう制度化したことで一般にも広がった。現在のように6月1日と10月1日になったのは明治時代だ

 ▼最近は10月になってからもクールビズを続ける役所や企業も多く、以前ほど衣替えの時期が一律ではなくなってきている。それでも10月最初の平日である今日は、衣替えをした生徒らの姿が秋らしさを感じさせてくれるだろう

 ▼夏物から秋冬物に装いを変えただけでも、なぜか気持ちも一新したように感じられるのが不思議だ。本年度も、すでに折り返し地点を回った。季節を快適に過ごすことができる服を着て残りの後半も元気に過ごそう。