【10月6日付編集日記】秋祭り

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 秋祭りたけなわである。きょう、二本松の提灯(ちょうちん)祭りが最終日を迎え、福島市では飯坂けんか祭りが開幕する。続いて、あす以降は、福島稲荷神社の例大祭、針道のあばれ山車などめじろ押しだ

 ▼民俗学者柳田国男は著書「日本の祭」で、全国各地、四季折々に行われる祭りを分析した。そして一年を通じ一番大きな祭りが、秋の収穫後のもので、その次が春から夏にかけて苗代ごしらえに取りかかる前の祭りだと記した

 ▼豊作を切実に願い喜ぶ農村の風土が祭りを育てた。ただ同時に祭りは都市を中心に、必ずしも信者ではない見物人が見守る「祭礼」に変化してきたとも柳田は記した。祭り見物に目がない身には、不信心を叱られた気もするが、柳田はその変化を祭りの法則のように解説する

 ▼京都などの祭礼は古来、新しいものを吸収するのが特色。神様が乗る神輿(みこし)には新デザインを取り入れ、最先端の文化が反映された。そして平和な時代には村の祭りも、その流行を取り入れた

 ▼つまり祭りは、平和と文化の繁栄があってこそ続く。そして柳田はこう結ぶ。日本の祭りが誇れるのは、五穀成就、天下太平など公共の祈願をもっぱらにしていることだ―と。素晴らしい祭りを楽しもう。