【10月9日付編集日記】ざんねんないきもの

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 「アライグマは食べ物をあらわない」「イルカは眠るとおぼれる」「カメムシは自分のにおいがくさすぎて気絶する」。思わず「へぇー」とひきつける見出しと簡にして要を得る文章が受けたのだろう

 ▼本のベストセラーに児童書が名を連ねた。「ざんねんないきもの事典」(高橋書店)とその続編だ。8月の月間ランキングで1、2位を独占(日本出版販売調べ)、県内の図書館では今も予約待ちが続く

 ▼生き物は人間にまねができない特殊な能力を発揮する。一方で「ざんねん」と思われるようなマイナスの要素も持っている。それが逆に魅力になって親近感を覚えさせるのかもしれない

 ▼翻って人間はどうか。例えばエリートと思われた人が意外におちゃめな失敗をする。そうした場合、温かく受け入れられることもある。しかし共感にはほど遠い「ざんねん」が世間をにぎわした。国会議員による失言、暴言や不倫疑惑など不祥事だ

 ▼それらの払拭(ふっしょく)が目当てではなかろうが、衆院が解散され、総選挙があす公示となる。今回は野党再編によって3極で争う構図が鮮明になっている。国民にとってくれぐれもざんねんな結果にならぬよう政党、候補者の声に耳を澄まさなければならない。