【10月12日付編集日記】買い物弱者とドローン

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 「こんちはー、三河屋です」。勝手口を開けて、ご用聞きのサブちゃんが入ってくる。コメや酒を届け、その場で注文を取ったり世間話をしたりすることもある。アニメ「サザエさん」で見慣れたシーンだ

 ▼サザエさんが始まった昭和時代は、こうしたご用聞きの姿は珍しくはなかったが、最近はあまり見ない。一方で、現代版のご用聞きとして注目される事業がある。インターネットで注文を受けて配達するネットスーパーや、トラックなどに商品を積んで販売して回る移動店舗だ

 ▼背景には商店が自宅から遠く、日常的な買い物が難しい「買い物弱者」の増加がある。経済産業省は全国の買い物弱者を約700万人と推計している。高齢化や過疎化が進む中、ネットスーパーなどの需要はさらに増える見込みだ

 ▼配達の際、活用が期待されているのが小型無人機ドローンだ。南相馬市小高区では今月末、コンビニから移動店舗までドローンで商品を配送する全国初の実験が始まる

 ▼政府は2018年までにドローンによる宅配事業の実現を目指している。安全性確保など課題はあるが、技術が確立されれば勝手口ならぬ空からやってくるご用聞きが住民の強い味方になってくれるだろう。