【10月13日付編集日記】宗教革命500年

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 いまから500年前の10月31日。ドイツの小さな街ウィッテンベルクで、世界を大きく変える出来事が起きた。教会の門にマルティン・ルターが、いわゆる「免罪符」の販売を批判する文書を掲げた。史上名高い「宗教革命」。今年は、その500周年を記念する行事が各地で行われる

 ▼ルターのメッセージは当時の新技術だった活版印刷によって拡散。これが宗教改革を推進した原動力だった。今ふうに言うとインターネットの発達が政治を変えたのと同じことが起きた

 ▼当時の聖書は、主としてラテン語で書かれていた。ルターは聖書をドイツ語に翻訳して、老若男女が読むように求めた。これは、ドイツが世界有数の読書国になった遠因ともされている

 ▼印刷技術により、知の力は民衆のものになった。宗教改革の影響は計り知れない。教会が絶対的な権威だった中世が終わり、いま私たちが暮らすような世界、すなわち近代の幕が開いた

 ▼世界史を変えた500年前の出来事に活字と印刷がいかに大きな役割を果たしたか。その意味を改めてかみしめたい。秋は読書の季節。その昔、人々はむさぼるようにルター聖書を読んだだろう。今年はそれを想像して本のページをめくりたい。