【10月28日付編集日記】会津磐梯山

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 江戸時代末期に今の白河市に住んだ絵師、蒲生羅漢は、大酒飲みで知られ、民謡「会津磐梯山」の歌詞に登場する小原庄助のモデルという人物も弟子入りしたという

 ▼ただ、腕はかなりのもので、石山寺の寺宝を模写した「石山寺縁起絵巻」は名高い。こうした仏画や山水画の一方、動物の愛らしいしぐさを描いた小品も残した。羅漢の作品展を開いている白河市の白河集古苑によると「懐の深い」作風で、庶民から大名まで幅広く支持されたヒットメーカーだった

 ▼ヒットの秘訣(ひけつ)というのは、こういう懐の深さなのかもしれない。来年50周年を迎えるヒット曲などのランキング「オリコン」の歴代シングル売り上げの1位は「およげ!たいやきくん」(1975年)。5位には「だんご3兄弟」(99年)と、親子で口ずさまれた「ファミリーソング」が顔をそろえた

 ▼2曲ともユーモラスなのに曲は短調。歌詞には人生の悲哀もにじむ。この点も、動物たちの生き生きとした姿を無常観をたたえた仏画にも描いた羅漢の作品と共通する

 ▼ちなみに民謡会津磐梯山もレコード化され広がった昭和初期のヒット曲。朝寝、朝酒で身上をつぶす庄助さんの悲哀を含んだ滑稽さが受けたのだろうか。