【11月6日付編集日記】熊本地震1年半

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 爪で引っかいたように土砂崩れの傷痕が残る山の斜面、集落のあちこちに点在する更地、そして解体中の住宅。昨年4月の発生から1年半が過ぎた熊本地震の被災地の姿だ

 ▼被害が大きかった熊本県南阿蘇村の立野地区を訪ねる機会を得た。同地区は多数の山崩れが発生し、多くの世帯が全半壊して長期避難世帯として認定された。認定は先日解かれたが、土砂災害の恐れは今も残ったままだ

 ▼「山崩れの恐れがあり、住民は村に戻るかどうか迷っている」。避難者の生活再建を支援する女性が住民の様子を話す。その女性も自宅が全壊して村外に避難している。村に戻った後の生活を見通せないことが悩みなのだという

 ▼仮設住宅などに避難する人は熊本県全体で約4万5000人。自治体は住宅の再建が難しい人のために災害公営住宅を建設しているが、着手したのは計画の半分程度にとどまる。熊本城の復旧も2037年ごろまでかかり、復興の道のりは長く遠い

 ▼東日本大震災と原発事故からの復興を目指す本県も、熊本県と似通った課題に直面し乗り越えてきた。本県の自治体や県民がこれまでの経験を生かして、熊本県民を応援することは、互いに復興を進めていくための力になる。