【11月20日付編集日記】コケの魅力

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 娘が、庭石に生えているコケを携帯電話のカメラで撮っていた。理由を聞くとコケが好きな友達にメールで写真を送ってあげるのだという。ずいぶん渋い趣味の中学生もいるのだなと思ったが、調べてみると近年コケが静かなブームらしい

 ▼日本には1800種以上のコケが自生しており、青森県などでは観察ツアーが行われている。コケを土ごとガラス容器に入れて室内で栽培する「テラリウム」も人気なのだとか。よく見るとそれぞれに個性のあるコケの姿に心が癒やされるようだ

 ▼コケは趣味の分野だけではなく、緑化資材としても注目されている。表面にコケを植えた資材を建物の屋上や屋根などに設置することで断熱効果が上がり、冷暖房に使う電力の削減が期待できるのだという

 ▼需要が高まる中、浪江町立野地区では住民でつくる農地復興組合が休耕地でコケの実証栽培を始めた。東京電力福島第1原発事故による避難指示が解除された同地区の農業再興の足掛かりにしたいと、関係者らの期待は大きい

 ▼道端や庭にひっそりと生えており、普段はあまり気にされることのないコケの存在。しかし、その小さな緑の世界には、たくさんの魅力と可能性が秘められているようだ。