【1月9日付編集日記】地酒

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 日本酒づくりの要は水と米だと言われる。そして土地が変われば、水も米も変わり、その土地ならではの酒ができる。いわゆる地酒である

 ▼県内でも各地で、自治体や稲作農家などが、地元で取れる米を使って独自の酒づくりに取り組んでおり、それぞれの地域の味に触れることができる。中には米の消費拡大や特産品づくりを目的に20年以上にわたり続けている団体もある

 ▼この季節は、昨年秋に収穫した米で仕込んだ新酒の出荷が相次ぐ。今月5日には福島市の飯坂温泉で、酒米づくりから醸造までを同市内で手がけた酒が出来上がり、販売が始まった。温泉街の新しい名物としての期待がかかっている

 ▼一方で、東日本大震災と原発事故からの地域再生に向けて酒づくりに取り組んでいる地域もある。南相馬市と川内村では地元農家が栽培した酒米を使い、酒の銘柄も郷土をイメージできるよう工夫を凝らしている。こちらの蔵出しは3月になる見通しだ

 ▼醸造学の第一人者でもある小泉武夫さん(小野町出身)は、酒の飲み方について「酒は心で始まり、心で終わるものだと私は信じている」と著書で書いている。県内のあちこちで心にしみるうまい酒が醸し出されるのが楽しみだ。