【6月14日付編集日記】ワールドカップ開幕

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 平安時代、ライバルといわれた2人もたまには意見が一致したらしい。紫式部は源氏物語で「乱暴な遊びのようだが、爽快で面白い」と光源氏に言わせている。一方の清少納言も枕草子におなじみのフレーズ「をかし」と書いた

 ▼2人が面白いと口をそろえたのは「蹴鞠(けまり)」だ。鞠を地面に落とさないように蹴って相手に渡す蹴鞠は、いわば日本版サッカーだ。初めは貴族の遊びだったが、中世以降は武士や庶民にまで広がっていった

 ▼蹴鞠では、名人のことを「名足」という。平安後期の大納言藤原成通(なりみち)は66年の生涯で7000日も鞠を蹴ったといわれ、名足として名を残す。今川義元や大友宗麟(そうりん)ら戦国武将も蹴鞠を好んだ。剣豪の宮本武蔵もかなりの達人だったとの伝説が残る

 ▼きょう、サッカーのワールドカップロシア大会が開幕する。アルゼンチンのメッシやブラジルのネイマール、ポルトガルのロナルドら現代の名足が集い、世界一の座を争う

 ▼日本代表は監督交代などの曲折もあったが、本番前の最後の強化試合に勝利して調子を上げてきた。サムライブルーが躍動してこそ大会が「いとをかし」くなる。どの国が栄光の歴史に名を刻むのか、4年に1度の祭典に胸が高鳴るばかりだ。