【6月28日付編集日記】はやぶさ2

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 身の回りを整理していると、昔の懐かしい品に出会い、思わず手を止めてしまうことがある。昔読んだ本や漫画、遊んだおもちゃ、そして写真...

 ▼過ぎ去った時間は取り戻せないというが、それは必ずしも正しくない。懐かしい過去を伝える品々は過去そのものではないが、私たちを過去の時間に誘う。忘れていた大切な記憶を思い出させてくれる

 ▼話を宇宙に広げるなら、太陽系の過去の姿を伝える「何か」は約3億キロかなたの宇宙にある。探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」近くの目的地に到達した。そこには約46億年前に太陽系が生まれたころの水や有機物が残されていると考えられている

 ▼地球上の生命を育む水はどこから来たのか。そもそも私たちの体を作っている有機物は、どこでできたのか。はやぶさ2による発見で私たちは生命ができたころのことを"思い出す"かもしれない

 ▼日常生活でふと昔に還(かえ)るひととき。それは新たな自分を発見し、明日への活力を生む貴重な瞬間でもある。環境汚染や難民問題など地球も悩みが深い。地球人も、少し昔のことを思い出した方がよいのだろう。人生にも、そして地球にとっても、過去を見つめ、自省する時間が必要だ。