【6月29日付編集日記】福島競馬100周年

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 1970年の夏、作家の遠藤周作は福島市を訪れた。「あの暑い街には、ほんとうにびっくりしてしまった」と当時のことを記している。盆地特有の蒸し暑さに参ってしまったのかと思ったが、暑さの理由はそれだけではなかったらしい

 ▼遠藤が「ベラ棒に暑い」と感じたのが、福島競馬場だった。そこは「ステテコにチヂミのシャツのおっさんや、昔なつかしいアッパッパのおばさんたち」の熱気でムンムンしていたと、かつて日本中央競馬会の機関誌に寄せている

 ▼遠藤が訪れる約半世紀前、開設から間もない頃の福島競馬場にはドレスコード(服装規定)があった。当時、競馬は英国育ちの紳士の遊びという触れ込みだったため、正式入場者は羽織を着用しなければならなかったのだという

 ▼時代の変遷とともに服装の決まりはなくなり、福島競馬場はさまざまなスタイルで競馬を楽しむ人々を受け入れてきた。いまはイベント会場や、避難場所としての役割も担っている

 ▼福島競馬場は、1918年6月28日に開設されてから100年の節目を迎えた。市民とともに次の100年をどのように刻んでいくのだろうか。明日は「夏の福島競馬」が幕を開け101年目の暑い夏が始まる。