【7月1日付編集日記】菜園の再開

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 郡山女子大などを運営する郡山開成学園を創設し、県内で女性の高等教育の先駆者といわれた故関口富左さん。関口さんは、同大屋上菜園の設置に「自然を凝視(みつ)めて新たな学を」との方針を掲げた

 ▼食育実践の場として校舎屋上を活用し、2006年に開園した屋上菜園。育てた野菜を調理実習に使うとともに、生ごみを堆肥として有効活用した。屋上緑化は夏場の教室の暑さ対策にもつながるなど環境教育のシンボル的存在だった

 ▼しかし、東京電力福島第1原発事故に伴う除染のため、11年に菜園の土は全て取り除かれ、栽培は休止に追い込まれた。13年に99歳で生涯を閉じた関口さん。休止は、さぞかし悔しかっただろう

 ▼菜園は6月、新たな土が入れられ、8年ぶりに栽培が再開した。野菜の一部は、9月から学園直営となる学生食堂で食材として生かされる。食堂の利用は学生と教職員に限られているが、運営が軌道に乗れば一般開放も検討するという

 ▼原発事故の避難指示が解除された地域では稲作や畑作の再開が加速している。まずは、その食物を地域でどう生かすか考えたい。地元で消費を拡大することが県産農産物の安全性をアピールすることにつながるはずだ。