【7月2日付編集日記】バイオミメティクス

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 きのうの本紙「ふくしま花だより」は国見町の中尊寺ハスだった。淡いピンク色の花に青々とした葉が日光に映えて優雅な美しさを醸し出している。昔から「ハスは泥よりいでて泥に染まらず」というが、まさにその通りだ

 ▼ハスが泥に汚れないのには科学的な理由がある。ハスの葉の表面には、無数の微細な突起物が並んでおり、その表面はワックス状の化合物で覆われている。突起物とワックスの相乗効果で、高いはっ水性と自浄効果が発揮されるのだという

 ▼ハスの葉の表面構造を参考に商品の開発に取り組む企業もある。はっ水性の高い布や、雨水で汚れが落ちる建材用塗料などが開発された。このように生物が持つ優れた機能をものづくりに生かす「バイオミメティクス(生物模倣技術)」が注目を集める

 ▼蚊の口の形をまねた痛みの少ない注射針や、ヤモリの足裏の接着力を応用した粘着テープなど、実用化の幅が広がる。政府も環境負荷の少ない技術開発につながるとしてバイオミメティクスを後押しする

 ▼虫や植物など全ての生物は厳しい生存競争の中でさまざまな機能を身に付け、進化してきた。その姿には人間の生活をより豊かにする技術革新のヒントが詰まっている。