【7月3日付編集日記】ネパールとの絆

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 他国のようにボーナスを払うことはできないが、何とか協力してもらえないか―。ある登山隊が現地の人々に助けを求めた。彼らは「あなたたちと一緒に仕事をしたい。お金のためではない」と答えて力を貸した

 ▼1975年に三春町出身の登山家・田部井淳子さんが、女性で初めてエベレスト登頂に成功した時の逸話だ。力を貸したのはネパールのシェルパ族。田部井さんは、正直で親切なシェルパ気質は日本人と通じ合うものがあると記している(「人生、山あり時々谷あり」潮出版社)

 ▼2020年東京五輪・パラリンピックを巡り、田村市がネパールを支援する「ホストタウン」に登録された。同国が力を入れている陸上長距離の事前合宿誘致を目指すほか、ネパール人留学生との交流イベントなどを実施する予定だ

 ▼ネパールはインドと中国の間にある東西に細長い内陸国で、国旗は世界でも珍しい三角形を重ねた形である。ヒマラヤ山脈など高地をイメージするが、南部には平地もありブッダの生誕地ルンビニが有名だ

 ▼田部井さんの偉業から40年以上の歳月が過ぎた。今度は「東京五輪で助けてくれたところがある。それは福島県の田村市だ」と語り継いでもらう順番だろう。