【7月13日付編集日記】聖火リレー

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 ヨーロッパ文明の源とされる古代ギリシャ。その地を4年に1度、オリーブの枝で作った冠をかぶり、杖(つえ)を持った男たちが旅をした。目的は全ての都市国家に「オリンピアで競技を行う。争いはやめよ」と伝え歩くことだ

 ▼国家間の争いが激しかった古代ギリシャだが、ゼウス神にささげられるオリンピック競技会の期間中は、全土で停戦協定が成立した。スポーツのために和平を実現するという考えは、形を変えながら「平和の祭典」を掲げて復活した近代五輪に引き継がれた

 ▼新たに近代五輪から始まったこともある。オリンピアの神殿跡で太陽光を集めて起こした聖火を、開催会場まで届ける聖火リレーもその一つだ。古代の火の儀式をベースとして1936年ベルリン大会から行われた

 ▼多くの人が苦労を共にして一つの灯火を引き継いでいくスタイルは好評を博し、大会を盛り上げる五輪行事として定着することとなった。2020年東京五輪では、スタートの地に本県が選ばれた

 ▼東日本大震災と原発事故の発生から10年目の節目に行われる聖火リレー。灯火に乗せて運び、伝えていくべきメッセージは何だろうか。復興を支えてくれた全ての人の心を温かくする言葉を探そう。