【7月15日付編集日記】梅雨明け

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 蒸し暑い日本の夏に欲しくなる定番の食べ物と言えば、やっぱり素麺(そうめん)と冷や麦だろう。どちらも小麦粉で作られる乾麺である

 ▼JAS(日本農林規格)による乾麺の分類(機械製麺)では、素麺は直径1.3ミリ未満、冷や麦は1.3ミリ以上1.7ミリ未満と規定されている。手延べは別として太さが違うだけだ。ちなみに直径1.7ミリ以上はうどんと呼ばれる

 ▼素麺の歴史は古く、奈良時代に当時の中国から伝わったとされ、俳句や川柳では、滝や天の川によくなぞらえられる。落語にも「素麺喰い」という滝にちなんだ話があり、かの正岡子規も「素麺の滝に李白の月見せよ」と詠んでいる

 ▼「日本三大素麺」として播州・揖保乃糸と三輪、それに小豆島が知られているが、本県の三春も素麺の名産地として将軍家に献上していたほどだ。江戸中期の百科事典「和漢三才図絵」には「奥州三春より出づるは細白にて美なり」とある

 ▼日本人の味覚は繊細だといわれている。「のどごし」という「飲食物がのどを下る時の感覚」(広辞苑)を味わうことができるのも日本人独特の感覚らしく、英語には似た表記は見つからない。梅雨が明けた。日本人として生まれた幸せを堪能できる夏である。